【感想】映画『タイタニック』をロマンチックな恋愛映画って言ったやつ誰だ。出てこい。

はじめまして。


新シリーズ始めようと思いまして。今まで新作映画とクソ映画について色々書いて来ましたけど(20記事くらいしか書いてませんけど)、旧作映画についても書こうかなーって。


今まで旧作には手を出してこなかったんですけど、過去作について話してもどうなんだろうって思いがあって。
今更ぼくが紹介しなくてもどうせみんな観てるだろうし、感想なんて出尽くしてるだろと思っていたので今まで旧作については書いてきませんでした。


じゃあなんで書くんだって話なんですけど、


誕生日プレゼントで『タイタニック』のDVDを貰いまして、それが超うれしくて、しかも超おもしろかったんですよ。だからどうしても書きたい!って思いまして。


それから......


そうです、ぼくは映画好きを名乗っておいて『タイタニック』を観たことがありませんでした。それで観たら超おもしろかった。でも、今まで聞いてきた『タイタニック』の感想とぼくが観て抱いた『タイタニック』の感想が全然違ったんですよ。


ブログとか読み漁ってもぼくと同じ意見が見当たらない。なんで?


ということで、これは自分で書くしかねえと思いまして。


あとはぼくが『タイタニック』を観たことがなかったように、有名な過去作でも観たことない人がたくさんいるのかな?っていうのと、ぼくが超有名作と思っていても周りは知らないということがわりとよくあるので案外需要あるのかもっていうことで旧作についてもこれから紹介していくつもりです。


といっても書くのは感想だから今までとあまり変わらないですけど...


配信サービスも普及してきたしね。映画館に行く人ばかりじゃないよね。


ということで、第一回目は『タイタニック』です。

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タイタニック - 予告編


はい、不朽の名作ですね。
だって3時間以上あるんだもん。家で3時間の映画観るのってけっこう覚悟がいるじゃないですかー。ねー。


ねー。


今まで観てなかったことを後悔しましたよ。なにこれ名作じゃないか。今回観る機会をくれて感謝しかないです。


でもね。先にも言ったように、ぼくが聞いてきた『タイタニック』と自分の目で見た『タイタニック』の印象が全然違う。
誰だよ、『タイタニック』はロマンチックな恋愛映画とか言ったやつ。全然ちげーじゃねーか。おかげで今まで人生の半分損していましたよ。


いや、別に恋愛映画として観る人のことを否定してるわけじゃないんです。もちろん恋愛映画ではある。でもそれよりも人生の映画じゃない?っていう。恋愛はおまけというかなんというか。


ぼくは自立と友愛を描いた、自己の人生を取り戻すまでの壮大な物語だと思うんです。こんなに素晴らしい映画をロマンチックな恋愛映画で片付けるなよ!って感じです。


まず前提として、「女は黙っておしとやかに男の後ろをついて歩けばいい」そういう世間の常識と抑圧に押しつぶされそうな女性の象徴がローズですよね。


お金持ちの人たちがタイタニック号の見栄えを気にして救命ボートの数を減らすよう要請するなか、「この船には乗客に対して救命ボートの数が足りないのではないか」とはっきり言えるほどに聡明な彼女でさえも、自らの力だけでは「女」としての呪いには抗えないのです。


母親は彼女を裕福な生活と私欲を守るための道具としてしか捉えていないし、婚約者のキャルも所有物として彼女を扱う。あそこには“ローズ”という人間は存在していません。


ローズの母親が言う「結婚が女の生きる道、不公平なのは女の運命」というセリフはまさにこの映画に内包されたテーマを表していますし、すごく印象的なシーンです。


そこから助け出した救世主がジャックというわけですね。ローズを上流階級の娘として見る家族や婚約者たちに対して、ジャックはローズをローズとして見ます。


ジャックはローズの人格を決して否定しません。好きな絵画について一緒に語ってくれ、聡明な彼女の行動を受け入れてくれる。上品であることを強制しない。


またジャック自身も男はこうあるべき、人はこうでなきゃいけないという価値観を自ら否定していきます。


会食の席でキャビアは嫌いと言うのは上流階級側へ行くことの拒否であるし、スケッチをする場面で裸のローズを前にして手を出さなかったのは「据え膳食わぬは男の恥」という概念の否定であり、家父長制からの脱却です。


ローズを一人の人間として尊重してくれたジャックの存在というのは、彼女が自己の人生を取り戻すための希望であり、彼女に対するジャックの感情というのは恋愛ではなく、友愛・敬愛であると思います。


「人生は贈り物、無駄にはしたくない」「毎日を大切に」といっていたジャックが命を賭してローズを救う。


だからローズはタイタニックからの生還後にジャックの名字を名乗り、おばあちゃんになるまで自分の人生を謳歌するのです。


あの瞬間にローズは呪いから解放されたんですよ。


おばあちゃんになったローズが持ち歩く写真は彼女が人として生きた証明であって、人生の軌跡ですよね。馬にまたがったローズの写真で大号泣です。


ローズは上流階級という深い海の底で溺れ死にそうになっていたところをジャックに救われる。それをタイタニックという題材でやるからジェームズ・キャメロンまじ天才。


そもそもよく考えたらただの恋愛映画なわけないですもんね。だってジェームズ・キャメロンですよ。


『ターミネーター』であのサラ・コナーを生み出した人ですよ?あの『アバター』の監督ですよ?『アリータ』の脚本ですよ?


そりゃそうだ。周りの評判に踊らされていたぼくが馬鹿だった。


ぼくと同じように、陳腐な恋愛映画なんでしょ?とか思って観ていない人、是非観てみてください。イメージ変わると思います。


あ、レオナルド・ディカプリオの色気が半端ないというのはぼくも全世界の人たちと同意見です。


お外に出かけるのが憚れるいまだからこそ過去の名作を振り返るのも良いと思います。 2020年4月30日までHuluに見放題入ってたので是非。


余談ですけど、『タイタニック』について色々調べてたら、こんなものを見つけました。

これは匂うぞ...