コロナでねー。なんにもできないですよねー。 体動かそうにもランニングか家で筋トレくらいしかできないですもんね。 ならスポーツ観戦でスポーツへの欲を満たそうと思ってもそれもできない。
じゃあどうすればいいんだ!!
どうすればいいんだーー!!
そんなときはスポーツ映画を観よう。
Jリーグがなくて退屈している人へ、欧州の各リーグがなくてイライラしている人へ。
そんなときはサッカー映画を観ましょう。
今回は、サッカー好きなら誰でも観たことのあるだろうあの映画を紹介したいと思います。
そう、『ゴール・オブ・ザ・デッド』です。
ゾンビ×サッカーのマリアージュ。
最高のクソ映画である。
クソ映画なのだが、公開当時はそれなりに注目映画として推されていた作品でした。
まずは予告編を見ていただきたい。
そう、日本公開が2014年なのである。2014年といえばブラジルワールドカップが開催された年です。 海外組の選手も多数従え大いに期待された今大会。サッカー熱が高まっていた中、満を持して送られた映画でした。日本予告のナレーションに博多華丸大吉のふたりが起用され、元日本代表の武田修宏が人間代表としてゾンビチームとフットサルの試合をするという謎イベントも行われていました。
なぜこんな映画を満を持して世に送り出そうと思ったのか甚だ疑問ですが、それほどの価値のある映画だったのでしょう。
ということで早速見ていきましょうか。
この映画の主人公は落ち目のサッカー選手のロリ。彼の故郷で行われる親善試合に向かうところから物語は始まります。
ロリは故郷のチームを離れパリのプロチームへと移籍したことから裏切り者として町の人たちから嫌われていました。
お前がパリに行ったせいで俺たちのチームはプロになれなかった。町の経済も悪くなり多くの人が職を失い路頭に迷った、お前のせいでこの町の人たちは夢も希望も失い人生は真っ暗だ!と散々な言われよう。そんな町離れて正解だよと思いますがロリはとても気にしています。
さらにはチームメイトからも疎まれていて、いざ試合が始まると味方にも邪魔をされます。ロリがドリブルで次々と相手ディフェンスを抜きさっても味方にディフェンスされてシュートできません。シンプルに可哀想です。
一方、アマチュアチームの主力選手ジャノはロリに対する恨みを募らせていました。町の医者でありジャノの父親であるベルボーは彼の憎しみを焚き付けドーピングの注射を打ち込みます。しかしそれはゾンビになる薬で...というストーリーです。
なんてことのないストーリーですが、問題はストーリーの展開の仕方。この手の映画は導入はさっさと終わらせていかに本題を盛って盛って盛りまくるかじゃないですか。今作で言えばゾンビサッカーをとにかく見せてくれればいいんですよ。重厚なドラマなんて誰も期待していないんだから。
なのにこの映画は延々と人間ドラマを描いていて一向にサッカーをしない。やっと試合が始まってゾンビパニックが起こったと思ったらゾンビから逃げ回りながら人間ドラマを繰り広げます。いいからゾンビサッカーしろよ!!ってなります。
しかもねこの映画、前半と後半に分かれているんですよ。
あ、ちがうちがう、前編後編じゃないです。前半と後半です。
前編と後編だと、ふたつの作品じゃないですか。これはひとつの映画をふたつに分けているんですよ。
だってサッカーだから。サッカーは一試合を前半と後半に分けてますよね。そういうことです。
聞いたことあります?137分の映画をふたつに分けるって。すごい突然なタイミングで終わりますからね。サッカーと関連付けてるんならせめて45分ずつにしようよ。なんで70分と67分なんだよ。ロスタイムにしたって長すぎだよ。というかこの手の映画で137分は長すぎですよ。尺使い過ぎ。こんなん90分くらいがちょうど良いんですけどね。だからこそ45分ずつでいいじゃん。
前半/死霊キックオフ大乱闘編と後半/地獄の感染ドリブル編に分かれているんですけど、ひどいのは前半戦。まず、さっきも言ったように全然ゾンビパニックが始まらない。約70分のうち50分を使って人間ドラマを描いています。いいんだよこういう映画はそんなとこに時間かけなくて。長くても30分でまとめてあとは派手にごちゃごちゃやってればいいんですよ。
しかも、50分かけて描いたドラマをラスト10分くらいでもう一回みせてくるんですよ。おしゃれに簡潔に。
いや今までの時間なんだったんだよ!
しかもしかも、後半の始まり4分くらいで前半の内容を分かりやすく簡潔にまとめてくれます。その上、これさえ分かっていれば前半は見なくて大丈夫!とか言い出します。
だから今までの時間なんだったんだよ!
ごめんなさい。取り乱しました。
ちなみに肝心のゾンビなんですが、今作のゾンビは人を食べません。人を殺しはしますが食べはしない。ゾンビというよりは凶暴になった人間みたいなイメージです。だから感染方法も噛まれたらとかじゃないんですよ。じゃあどうしたら感染するんだって話ですけど、ゲロです。
ゾンビにゲロをかけられたらゾンビになります。
なんでクソ映画ってゲロ吐きたがるんですかね。ゲロ吐けば面白いと思ってるのかな。やたらゲロ吐くんですよ。何回も何回も。馬鹿じゃないの。
あとエロくないエロ入れたがりますよね。とりあえずディープキスするみたいな。この映画にもありますよ。ゾンビになった後はゲロをかけあってました。
もう一個あった、変な編集しがち。今作ではズームの連発とか、アニメのオープニングでよくある登場人物が静止画で右から左に流れてくる映像などがたようされています。あと無駄なスローモーションね。間違って仲間を銃で撃ってしまう描写にスローモーションいるかね...
話をもどして後半/地獄の感染ドリブル編にいきましょうかね。
後半は始まった段階でゾンビパニック状態なのでいくらかましになっていますが、相変わらず人間ドラマ主体で期待していたゾンビ×サッカーはあまり見れません。コメディ多めで普通にゾンビから逃げ回る感じです。でもちょっと面白いのがなんか悔しい。ロリのチームメイトで犬猿の仲のイドリスというキャラが踊りだすシーンがあるんですが普通に笑ってしまいました。
あとね、これが一番悔しいんですけどクライマックスの展開でまんまと制作陣の罠にはまってしまうんですよねー。
このゾンビは生前執着していたものにとらわれるタイプで、この映画のゾンビたちはサッカーファンなのでサッカーに執着しています。スタジアムでゾンビに囲まれた一行はそれに気づき、ロリとイドリスが囮となって他の仲間たちを逃がす展開になるんですけどこれがめちゃめちゃ熱い。
今まで仲が悪く足を引っ張りあっていた二人が息の合ったプレーでゾンビたちを抜き去りゾンビの頭をゴールにぶち込む姿を見て大興奮。ようやく訪れたゾンビ×サッカーのシーンに「ひゃーーーー!!!きたよきたよ!これだよこれ!!たまんねーなぁ!!!」バイキング小峠みたいな状態です。
そして満を持してジャノの登場。ロリ対ジャノの熱い1on1が始まる...ゾンビたちも一切の動きを止めて二人の行く末を見守ります。お利巧ゾンビさんたちなんですねー。どこでもゲロ吐くけど。
さあ、最後の戦いがいざ...
と思いきやあっさり終了。あんな引っ張った因縁それで終わるんかい。なんか感動的な空気出してましたけど全く泣けないよ。ますます前半いらなかったじゃんという。
でもね、でもね、最後の最後に軍隊が助けに来てハッピーエンドなんですけど、この軍隊が助けにくるくだりは伏線がきいていてちょっと感動します。なんかあーだこーだ言いながらなんだかんだで楽しんでいて、まんまと手のひらの上で転がされている気がしてやっぱり悔しい。
さすがおフランスや。フランス映画はやっぱりすげーぜ。
サッカー好きは観るしかないんじゃない?
アマゾンプライムビデオで前半後半どっちも観れるよ?
DVDなら通しで観れるよ。
ね?