エンドゲームはMCUシリーズをずっと追いかけていた者にとっては多幸感に溢れた3時間である。過去のMCU作品の至るところから持ってくる伏線回収。インフィニティウォーから一年待たされたことによるワクワク感と感情の爆発。 始まりから終わりまでずっと泣いていました。
好きな映画は数あれど映画体験としては間違いなくNO.1でしょう。
そんなエンドゲーム。鑑賞中に声を出さずにいることがつらかった。声をだして笑いたい場面の数々に思わず叫びそうになったクライマックス。 ありがとうアベンジャーズ!と大きな声で伝えたかった。
そうして余韻に浸り過去作を振り返り鑑賞すること一週間、応援上映をやるとの情報が。
これは行くしかない。しかも1日限定。行くしかない。
ということで応援上映シリーズ第三段。5月11日に行われた札幌での『アベンジャーズ/エンドゲーム』の応援上映に行ってきました。
※ここからはネタバレありますのでご了承ください。
当日、映画館へ向かう。まあ分かってるよ、札幌にガチコスプレ勢はいない。いても軽いコスプレやグッズを持ってる人くらいだろう。
分かってはいるが一応ロビーを見回す。ぐるっと見通し息をつく。
まあそうだろうな...いな...ん?今なにかいた...
もう一度ロビーを見回す。
うん。
一旦落ち着きもう一度見る。
やっぱり、ソーとロキがいる...!
しかも軽いコスプレなんてもんじゃない。ガチだ。服装から髪型、髭まで再現してる。
ソーはムジョルニアを、ロキはスペースストーンを持っていた。すごい完成度だ。髪質まで再現している、知らんけど。
期待が高まる。
GW明けの仕事のつらさもエンドゲームのことを考えると乗り越えられた。過去2回の応援上映とは異なり体調も万全である。
席はD-11、真ん中上段。映画を見る上でも応援上映を楽しむ上でも最高の位置である。 贅沢を言えば近くの席の人がアベンジャーズ愛に溢れた人であればなお文句なしだ。
始まる前の劇場内はいたって静かであった。
お一人様もたくさんいるように見える。僕も僕のとなりの美人な方も逆となりのおしゃれな方もお一人様だった。
今からこの人たちが叫びだすなんて考えられない。
これはまたみんな恥ずかしがってしまうパターンで終わる可能性があるな...
そんなことを考えていると予告タイムが終わり一瞬真っ暗になる。
遂に本編が始まる...と思いきや、なんだかいつもと違う。
逆襲(アベンジ)の心得!というナレーションの下に映像が流れ出す。
応援上映の心得を示した映像だった。
しかもアベンジャーズ仕様の応援上映完全特別映像である。
熱いナレーションの下に注意事項が語られる。しかもアベンジャーズに合わせたユーモア溢れる内容だ。
革命的だった... これまで行った応援上映は言ってしまえば単なる声を出してもいい上映だ。 そのルールが存在するだけで他は通常の上映と変わらない。
つまり応援上映の空気がつくれるかどうかは完全に観客に委ねられた状態だったのである。 映画がなにかしてくれるわけではない。だからボヘミアン・ラプソディの時のようなことが起こった。
しかし、今回は映像がある。映画側が応援上映の空気を作ってくれているのだ。 この映像のおかげで誰もが応援上映に来ている感を手に入れたであろう。
注意事項が終わるとナレーションが煽り、カウントダウンが始まる。スクリーン内は歓声と拍手に包まれた。
最初の心配など杞憂であった。
この時点で泣きそうだった。
ボヘミアン・ラプソディ応援上映の時のおじさんに伝えたい。 札幌にも応援上映あったよ。
あの時おじさんが熱唱してたから僕は応援上映に行くことを辞めなかった。そして今遂に応援上映に立ち会える気がする。
おじさんのおかげである。ありがとう。
一旦席の話に戻る。となりの美人な方は拍手の仕方で分かるアベンジャーズ愛に溢れた人だった。 逆となりのおしゃれな方は声は出さないタイプだが拍手でとても盛り上げてくれる人だった。
そして隣の隣の隣はロキだった。
分かりますか?勝利確定である。
そんなこんなで映画が始まる。画面が明転し、ホークアイと娘ライラが弓の練習をしている。ライラが的の真ん中を射抜くとロキが「ナイスショット!」と叫んだ。ロキが言ってると思うと面白い。
つられて他の人も「ナイスショット!」と叫ぶ。
ネビュラがゲームに勝つと「おめでとう!」という声が、キャプテンマーベルが登場すると歓声があがる。
スコットが量子世界から戻ってくるきっかけとなったネズミには一際大きな歓声で拍手喝采。
しかし「実質5時間!」と叫んだ人に関しては、それはネタバレなので反省していただきたい。
その後もコメディシーンでは声をだして笑い、かっこいいシーンには歓声と拍手。
シリアスシーンでは静かになる。
モーガンの可愛さに悶絶し、スタンリーの登場を感謝の言葉で迎えいれる。
雰囲気が暖かい。変な内輪ノリを持ち出してくる人もいなく誰でも楽しめる雰囲気だ。
キャップ対キャップで過去キャップが眠るシーン。誰かが「ケツ!」と叫んだ。 シンプルで良い叫びだ。
笑いでスクリーンが包まれる。
これが飲み会の大学生のツッコミみたいな叫びだったら空気は冷え切っていたと思う。
面白いのが、誰かが叫べばそれに続いてまた誰かが叫ぶのだが、それがつまらないツッコミとかだと誰も続かないし笑いも起きずスベリ倒すのだ。
まあそんな場面は2.3回くらいしかなかったのだがみんな分かってるなと勝手に感心していた。
それからしばらくシリアスなシーンが続き場内は静かになる。皆が息を呑んで映画を見ている。
ちなみにこの時点で僕は8回泣いている。別に普通だとは思うが。
そして遂にIWで塵になったヒーローたちが集結する時がくる。
イバンべ!
イバンべ!!
イバンべ!!!
ワカンダの民と共に叫び、サノス軍を迎え撃つ。
キャップの「アベンジャーズ、アッセンブル!」という掛け声でこの日一番の歓声と拍手が沸き起こった。 僕も叫んでいた。自然と声がでていた。みんなそうだったのだと思う。隣のお姉さんも前のおじさん三人組も後ろの夫婦もロキもみんな叫んでいた。
完全に場内の人たちの心がひとつになった。
彼らの戦いに熱狂し夢中になる。ピーターとトニーの再会に目頭が熱くなり、スターロードには同情の眼差しを向け、キャプテンマーベルのあまりの強さに思わず笑いがでてしまう。 スパイディを近所の子どもを見守るように応援し、女性ヒーローの集結に本気で喜ぶ。キャップがムジョルニアを手にしたときには子供のようにはしゃぐ。 ここまでで16回は泣いている。普通のことだとは思うが。
だがそれでもサノスは強い。
こんなにやっても勝てないのか。どうして。サノスがガントレットを手にしみんなが諦めかける。
しかし、目の前のトニーは戦っていた。アベンジャーズは諦めていなかった...
僕たちももう一度立ち上がる。1400万605分の1の勝利を信じて。
「And, I am Iron Man」
戦いが終わった...。
目の前には力尽き声も出せないトニーが倒れ込んでいる。 場内はすすり泣く音で満ちていた。
僕たちに超人的な力はない。トニーのような頭脳も財力もない。でも僕たちは紛れもなくアベンジャーズの一員になれた。 物語が終わった後、僕は思わずありがとう!と叫んでいた。
アベンジャーズ愛に溢れた応援上映で、周りの人もみんなノリもマナーも良くてとても楽しかったです。シネマフロンティアでもやってたのを知らずにはしご応援上映の機会を逃してしまったのが唯一の心残りですが。
今回機会を逃してしまった人やこれを読んで興味を持ってくれた人がいるならば、もしまた開催されることがあれば是非行ってみてください。もっともっと盛り上がる応援上映を作り上げられると思います。
帰るとき、ソーがかわいい袋にムジョルニアをしまっていた。
ありがとうアベンジャーズ。